2024.12.14 19:06
②高嶺の花の秘密。黒髪美人が落ちる夜
ある雨の日、
図書館で彼女と偶然隣り合ったことがあった。
彼女は本を読むときだけ、普段の完璧な雰囲気から離れて、どこか無防備になる。
長い黒髪を耳にかける仕草を見て、思わず見惚れてしまった。
「先輩、この本、面白いですよ。」
そう言って雪穂が差し出したのは、恋愛小説だった。
普段、彼女がこんな本を読むなんて意外だったが、同時にその隙がたまらなく愛おしいと思った。
その日の夜、僕は彼女から食事に誘われた。
信じられないことに、彼女からの誘いだ。
どうやら、僕が以前授業で手伝ったことがきっかけだったらしい。
つづく