素顔が見られる、女の子投稿型フォトダイアリー。
中学のころです。
毎日通る道沿いで工事がはじまりました。
人通りも少ない、住宅街に面した道です。
そこには警備のおじさんがひとりいらっしゃいました。
そのおじさんは数日目からわたしに気づき「行ってらっしゃい」と声をかけてくれるようになったのです。
うつむいて歩いていた私は、自分にかけられた声におどろきつつも、うれしくて、小さな声で返事を返しました。
あたたかく小さな交流とともに、そんな工事は1ヶ月は続いたでしょう、ある日「行ってらっしゃい、おじさんは今日で最後だ」と言うのです。
「行ってらっしゃい」以外の言葉を発したおじさんにびっくりしてしまい、私は歩みを止めぬまま「そうなんですか」と素っ気ない返事をしてしまいました。
とても根暗で引っ込み思案なわたし、そんな自分をとてももどかしく思い、どうにか返そうとしたけれど言葉が出ません。そのままうつむいて学校へ向かいました。
いまでも思い出して後悔しています、「ありがとう」と、あのおじさんに笑顔で返したかったなと。
わたしを毎日見守ってくれたあのおじさん、いまはなにをしているのかな。
出会いと別れは突然やってきますね。
だからこそ、その時間や機会を大切にしたいと思います。
だからこそ、あなたに伝えたいです。
出逢ってくださって、ありがとうございます。